![]() |
||
音楽というのは、それほどに雄弁なんだ。 イスタンブールは72の民族が行き交う、大きな橋みたいな街だ。 対極のものが隣り合っている。伝統と革新、富と貧困。すべてが混在している。 イントロダクション ヨーロッパとアジアの狭間で独特の文化を発展させてきたトルコ、イスタンブール。そこは、ボスポラス海峡を隔てあらゆる民族が交差したコスモポリタンの街であり、伝統と現代とが交じり合う、他所では有り得ない魅惑的な音楽が生み出され続けている。クラブサウンドとスーフィー(イスラム神秘主義)音楽を融合した全く新しい音楽や、自らの人生や民族の内にある反社会的なメッセージを込めた音速ラップ、そしてサズという約2000年の歴史を持つ伝統的な弦楽器が奏でる、神秘的かつ情熱的な音色・・・。現在トルコ、特にイスタンブールは、クラブカルチャーの最先端の場であり、またアート・カルチャーの新たなスポットとしても世界中から注目が集まっているのだ。多彩で魅惑的な“オルタナ・エキゾ”ミュージックが溢れ出すイスタンブールの音楽シーンは、なぜこんなにも魅力的なのかー。その秘密を求め、ベルリン・アンダーグラウンドの重鎮アレキサンダー・ハッケ(ノイバウテン)はトルコへと旅立つ。 撮影は主にイスタンブールで行われており、それも地元の人々の生活の場を舞台としているので、観光地とは違うイスタンブールの街の雰囲気が楽しめる作品にも仕上がっている。また、ストリート・ミュージシャンにも焦点を当て、彼らの音楽が生み出された、街の雰囲気や背景等を感じることができる。エレクトロニカ、ロック、ヒップホップ、クラブジャズ、民謡、ダブなど、ジャンルは様々ではあるが、彼らの言葉に共通するのは、自分たちを抑圧する権力、支配階級、保守的な考え、西洋主義的な考え、等々に対して実に強い反骨精神であり、時に現れる浪花節的な歌詞とあいまって、独特のトルコ的世界観が生まれているのである。トルコ版『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』『モロ・ノ・ブラジル』とも言うべき、“魅惑の音楽ロードムービー”がここに誕生した!! 監督は「愛より強く」(05)でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞し、カンヌ国際映画祭にて審査員を務めるなど、今やドイツを代表する監督の一人であるファティ・アキン。これまでの作品も音楽の使い方には定評があったが、第6作目となる本作では、前作までに証明された抜群の音楽センスと世界に認められた映画監督としての力量を融合させ、音楽ドキュメンタリーの枠を超えた作品を創り出した。トルコやドイツにて大ヒットを記録、ヨーロッパを中心に世界25カ国以上での公開が決定し、高い評価を受けている。 < BACK |