あの日、笑顔は奪われた−

監督:アンドレア&アントニオ・フラッツィ/原作:ロレンツァ・マッツェッティ 「Il cielo cade」
出演:イザベラ・ロッセリーニ、イェルーン・クラッベ
ヴェロニカ・ニッコライ、ラーラ・カンポリ、エレナ・サフォノヴァ、ポール・ブルック

2000年 イタリア、ジッフォニ青少年映画祭 金賞 (最優秀賞)
2000年 ジッフォニ青少年映画祭 ブロンズ賞(最優秀女優賞:ヴェロニカ・ニッコライ)
2000年 フロリダ フォート・ローダデイル国際映画祭 審査員賞 (最優秀外国語映画)
2000年 ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 主演女優賞、新人監督賞 ノミネート
2001年 ベルリン国際映画祭 ドイツ児童救済週間部門 特別賞 (最優秀作品)
2001年 ナストロ・ダルジェント賞 新人監督賞ノミネート

東京都知事推奨

厚生労働省社会保障審議会推薦

2003年新春、シャンテシネにて公開決定!

 

CAST/STAFF - キャスト/スタッフ -

 

Introduction - 解説 -
少女たちの小さな胸はふるえた。
楽しかった夏の日が、目の前で崩れていくのを見ながら―。

フェリーニも絶賛! ヴィアレッジョ賞に輝いた自伝的物語
かのフェデリコ・フェリーニをして、「この本を読んだ時ほど、熱狂的にのめり込
み、楽しんだことはめったにない。」と言わしめた本作の原作「天が落ちてくる(Il
cielo cade)」は、ロレンツァ・マッツェッティが61年に発表した初の自伝的小説で
ある。イタリア三大文学賞の1つであるヴィアレッジョ賞を獲得し、世界中で翻訳が
出版された。
第2次世界大戦下のトスカーナ地方を舞台に、両親を交通事故で失い、伯父夫婦のも
とに引き取られた姉妹のひと夏の出来事を綴った本作は、原作同様、姉ペニーの目を
通して物語が描かれる。子供ならではのユーモラスなエピソードと、涙を誘う厳しい
現実とが交錯し、観客を深い感動へと導く小説の世界を再現することに成功した。

眩しい太陽の降りそそぐトスカーナの夏は、ある日突然終わりを告げた…
1943年夏、ペニーとその妹ベイビーは、両親の突然の死によって、伯父夫婦の家で暮
らすことになった。自然に囲まれた田舎での新しい生活は、2人にとっては未知の世
界。近所の子供たちやクラスメートと交流を深めていく中で、ペニーとベイビーは、
身の回りに広がる世界の様々な出来事に触れ始める。伯父さんの不思議な魅力、ムッ
ソリーニは彼女たちが思っていたような神様ではなかったこと、宗教のこと、逃れら
れない何か大きな力が迫っていること、愛する人たちを失うことへの不安、密やかな
大人たちの愛の営み、風変わりな音楽、ドン・キホーテの物語…。人生は秘密でいっ
ぱいだった。
しかし、楽しい日々は長くは続かなかった。突然の出来事に、ペニーとベイビーの夏
も静かに幕を閉じようとしていた…。

イングリット・バーグマンを彷彿とさせるイザベラ・ロッセリーニ
ペニーとベイビーを優しく包み込む伯母ケッチェンを演じるのは、本国イタリアの
みならずハリウッドでも活躍中のイザベラ・ロッセリーニ。母のイングリッド・バー
グマンを彷彿とさせる本作での演技は、これまでのどの作品よりも素晴らしいと大絶
賛され、イタリアのアカデミー賞と呼ばれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の主演
女優賞にもノミネートされた。また音楽と芸術を愛する伯父ヴィルヘルムには、監督
としても評価の高いイェルーン・クラッベが扮し、作品に深みを与えている。その
他、『踊れ!トスカーナ』(96)のバルバラ・エンリキ、『ムッソリーニとお茶を』
(99)のジャンナ・ジャケッティなどの実力派も脇を固めている。
 イザベラ・ロッセリーニという魅力的なキャストを得て、初の長篇監督作ながら、
その人物描写や演出力が絶賛の的となったのは、双子の兄弟アンドレア&アントニオ
・フラッツィ。TV界では既に多くの受賞歴を持ち名声を得ていた2人だったが、本作
では世界的ベストセラー小説を40年以上経て見事映像化し、2001年ベルリン国際映画
祭のドイツ児童救済週間部門特別賞を獲得したのをはじめ、世界各地の映画祭などで
多くの賞に輝いた。

イタリア映画界の至宝が結集したスタッフたち
スタッフにはイタリア映画史とともに歩んできたとも言うべき、数々の受賞歴を持
つ経験豊かな実力派が揃った。脚本には、ヴィットリオ・デシーカやルキノ・ヴィス
コンティ、ミケランジェロ・アントニオーニ、フランチェスコ・ロージ、マリオ・モ
ニチェッリなど錚々たる監督たちから絶大な信頼を得てきたスーゾ・チェッキ・ダ
ミーコ。撮影はマルコ・ベロッキオやナンニ・モレッティ、エットレ・スコーラ、ニ
キータ・ミハルコフ作品などを手掛け、自然光を多用した映像美が高い評価を受けて
いるフランコ・ディ・ジャーコモ。音楽には、パゾリーニの『奇跡の丘』(64)や
フェリーニの『女の都』(80)、また最近では『イル・ポスティーノ』(94)や『年
下のひと』(99)なども手掛けるルイス・バカロフ。その他、一連のヴィスコンティ
作品で知られる美術のマーリオ・ガルブリアやオペラ界で活躍する衣装のカルロ・
ディアッピなど、イタリアの才能が結集している。



Story
 - 物語 -
人生は不思議なことや秘密でいっぱいだった。

両親の死、そして伯父さんの家へ
1943年の夏、第2次世界大戦下のトスカーナ地方、フィレンツェ郊外。自動車事故で
両親を失ったペニーとその妹ベイビーは、音楽と芸術を愛するユダヤ系知識人アイン
シュタイン氏と結婚した、イタリア人の伯母ケッチェンが暮らす田舎の屋敷に引き取
られた。そこには夫妻とその娘のマリーとアニー、メイドのエルサとローサたちが暮
らしており、屋敷には画家のマヤおばさん、その夫のアルトゥロ、アニーにピアノを
教えているピット先生など、大勢の人が出入りしていた。

トスカーナの自然の中で
しっかり者で妹思いのペニーと、まだ両親の死の意味もよくわからないベイビーの新
しい生活が始まった。アニーは突然やって来たいとこの存在が気に入らない様子で、
ちょっとしたことで、すぐ2人と言い争いになってしまう。それでも、ペニーとベイ
ビーは地元の小学校に通い始め、放課後は近くの農園の子供たちや学校のクラスメー
トたちと遊ぶようになった。鬼ごっこや木登り、川遊び、戦争ごっこ…、泥んこに
なってエルサに叱られながらも、ペニーとベイビーは自然に囲まれた屋敷での生活を
楽しむようになっていた。伯父さんと伯母さんは「今日からは私たちが親代わりよ」
と、ペニーに言うのだった。

新たな絆
しかしある日、事件は起きた。伯父さんの家を訪れた司教様のケープを、ベイビーが
切ってしまったのだ。現場を見ていなかった伯父さんは、ベイビーでなくペニーを
叱った。"私は誰にも愛されていない"と泣くペニー。翌朝、「首をつります」という
置手紙を残して姿を消してしまった。皆は大騒ぎとなって彼女を探し回り、伯母さん
はペニーに冷たいと伯父さんを責める。警察に連絡しようとしたその時、自殺できず
にいたペニーが泣きながら姿を現した。伯母さんは「あなたをとっても愛している
わ」と、そして伯父さんは言った。「これからは一番の友達になろう」と。

不思議な世界を覗いて
学校での先生の授業や伯父さんの話を通して、ペニーとベイビーは身の回りに広がる
様々な世界を知った。ムッソリーニは絶対的な存在ではなかったこと、司教様の言う
神様と伯父さんの宗教のこと、芽生えつつある残酷さについて、逃れがたい現実、
ローサと恋人ネッロとの密やかな愛の営み、ピット先生のピアノや風変わりな音楽、
ドン・キホーテの物語…、人生は不思議なことや秘密でいっぱいだった。

ドイツ軍の影
国王の命令でムッソリーニが逮捕された。ピット先生はこのチャンスにスイスに避
難することになった。伯父さんはピット先生の誘いを受けず、この家に留まるとい
う。次いで連合軍との休戦も公表され、事態は好転するように見えた。しかし、ドイ
ツ軍の侵入によって事態は新たな局面を迎えた。車は取上げられ、学校も接収されて
しまう。伯父さんの家にもドイツ兵がやって来た。食事中にも空爆の音は止まず、ベ
イビーは怖さに耐えられずにテーブルの下に隠れるのだった。

伯父さんに迫る危険
ドイツ軍による占領は、日に日に激しさを増していった。ローサの恋人ネッロは連れ
去られて行方がわからなくなってしまった。ドイツ軍によるユダヤ人狩りは、ローマ
に始まって今はフィレンツェまで迫っていると、司祭様までが警告に訪れた。しか
し、伯父さんは立ち去るつもりはないという。司祭様から伯父さんが危ないと聞いた
ペニーは、ドイツ将軍をお茶とお菓子でもてなすが、結局伯父さんを助けて欲しいと
は言えなかった。伯父さんがいなくなると思うと怖くてたまらず、ペニーは泣きなが
ら逃げてと頼んだが、伯父さんは決して逃げないと言うのだった。

終戦、しかし…
伯父さんはイタリア人のレジスタンスを担うパルチザン入りを決め、仲間とともに旅
立っていった。外は危険だからと、屋敷の中で一日を過ごす日々が続いていたある
日、ラジオ放送で終戦が知らされた。ドアを叩く音に、皆は英国軍だと喜びながら屋
敷の外へと飛び出そうとした。しかし、目の前に立ちはだかっていたのは、ナチス親
衛隊の姿だった…。

原作 ロレンツァ・マッツェッティ Lorenza Mazzetti

1928年フィレンツェ生まれ。幼くして孤児となり、本作で描かれたように妹と共に叔父のアインシュタイン家に引き取られる。しかし、第二次大戦によって44年8月3日に叔母と従妹たちが残殺され、翌年には伯父も自殺。再び孤児となった。50年代に渡英し、53年よりスレイド美術学校で学ぶ。在学中に知り合ったリンジー・アンダーソン、カレル・ライスらと共にフリー・シネマの運動を始め、カフカ著「変身」を脚色した16ミリ短篇「Metamorphosis」を監督。その後、BFIの助成を得て、イースト・ロンドンに暮す2人の唖を描いた中篇
「Together」(55)を作り、56年カンヌ映画祭短篇部門で上映されるやコンペ外ながら評判となり、探究賞を受賞。イタリアに戻り、RAIテレビでTV番組も演出。61年には自らの少女時代を元に描いた本作の原作「Ilcielo cade (天が落ちてくる)」を出版して作家デビューし、62年ヴィアレッジョ賞を受賞。一方で『豊かなる成熟』(61)、『かくしカメラの眼』(62)といったチェーザレ・ザッバティーニ総監修によるオムニバスの挿話も監督。また、前作の世界的成功により63年には続編「娘たちは怒りをこめて Con rabbia」を、69年には三部作の最終作「Uccidi il padre e la madre」を発表した。また、心理学についてのエッセイストとしても活動した。その後はローマに「Il Puppett Theatre di Campo de'Fiori」をオープンして子供のために人形劇を上演するなど、幅広い活動を展開した。

CHECK! 原作本「ふたりのトスカーナ」 竹書房文庫より1月末発売予定!


 

Link - スペシャルリンク -

 地中海イタリア語学院

イタリア語センター

ヴィラオルシーニ

日伊文化交流サロン 「アッティコ」

Review - 海外批評 -



人物描写、リズムのセンス、悲喜の絶妙なコントラスト、
そして、子供たちを含めた役者たちの演出は、
これが長篇デビューの監督とは思えない、素晴らしい経験がうかがえる。
(Vivi Cinema)

イタリア映画には珍しい、笑いあり感動ありの作品。
イザベラ・ロッセリーニの演技は驚くに値し、これまでのどの役より魅力的な女性を演じている。
それは母イングリット・バーグマンを彷彿とさせるほど、感動的なものである。
(La Repubblica−Donne)

演出が素晴らしく、生気にあふれ感動的でありインパクトがある。
いったいなぜ、カンヌ国際映画祭はこの作品をノミネートしなかったのだろうか。
(La Repubblica)

かけがえのない子供たち、テーマと物語の観点、完璧なキャスト。アンティークでありながらすばらしい仕立て。
原作が出版されてから40年を経た今、作られるべくして本作は完成したのだ。
(Messaggero)

喜びと悲劇、事実と記憶、軽妙な時空と忘れられない時を際立たせている追想のハーモニー。
素晴らしいスーゾ・チェッキ・ダミーコの脚本の助けを借りて、2人の監督は、
テレビ番組の経験だけしかないにもかかわらず見事に小説を再現し、情熱と理性と心を巻き込む作品を完成させた。
(Tempo)

本作は、魅力的で真のプロフェッショナルである、
アンドレア&アントニオ・フラッツィ監督による非凡な作品だ。                        
(Corriere della Sera)

 

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