- 夜顔
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監督:マノエル・ド・オリヴェイラ
出演:ミシェル・ピコリ、ビュル・オジエ
Review/海外批評
★人生、ユーア、欲望、放蕩が、小さな泡の中で蠱惑的に、いたずらっぽく、軽やかにはじける。「夜顔」は、驚くべき欲望の力学である。? リベラシオン
★そよ風が吹くような、美しく感動的な作品。歳を重ねた監督の、映画というものに対するせつない追憶と、彼の長い人生の日常の喜びを語っている。? プレミアマガジンIntroduction/解説

―貴方もきっと持っている、忘れられない過去の秘密―
世界の巨匠、マノエル・ド・オリヴェイラが贈る、「秘密」と「欲望」についての考察
1960 年代の衝撃作「昼顔」の登場人物たちの 38 年後―
今年 99 歳を迎える、長編映画監督しては世界最高齢となる、マノエル・ド・オリヴェイラ(「クレーヴの奥方」「家路」「永遠の語らい」)。今も尚、年に 1 本という 驚異的なペースで作品を世に贈りだしている世界が認める巨匠オリヴェイラが、ルイス・ブニュエル監督にオマージュを捧げ、カトリーヌ・ドヌーヴ主演「昼顔」の登場人物たちの 38 年後を描いた本作は、 2006 年ヴェネチア国際映画祭のアウトオブコンペ部門で初披露され、大きな話題を呼んだ。パリを舞台に、「あの日の秘密」と「人間の欲望」を巡る 2 人のウィットに富んだ駆け引きが堪能できる、熟成したワインのように優雅で味わい深い作品である。
■フランスのベテラン俳優出演、パリを舞台に繰り広げられる映像美と、豪華な衣装の数々
一筋縄ではいかない男アンリ・ユッソン氏を演じるのは、お馴染みミシェル・ピコリ。未亡人セヴリーヌ役には、数々のヌーヴェルバーク作品に出演してきたフランスが誇る女優ビュル・オジエ(ブニュエル監督「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」)が扮する。衣装は、「マリー・アントワネット」で本年度アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した、ミレーナ・カノネロが担当。エルメス、プラダ、シャネル、セリーヌなどの上品で美しいファッションの数々も見逃せない。また、ドヴォルザーク「交響曲 8 番の演奏で始まる、冒頭のコンサートシーン、ヒロインが宿泊するホテルの様式美や、キャンドルが灯る中、優雅にそしてスリリングに繰り広げられるディナーシーンなど、オリヴェイラ監督ならではの、格調高い映像美も堪能できる。
Story/物語

パリのコンサート会場で、アンリはかつての友人の妻で今は未亡人となったセヴリーヌと偶然に再会する。セヴリーヌのあとを追うアンリだが、過去を忘れたいセヴリーヌは彼から逃げまとう。やっとのことで彼女をつかまえたアンリは胸に秘めていた、過去の衝撃的な出来事の真実を打ち明けたいという口実で、無理やりディナーの約束をとりつける。 38 年前、セヴリーヌ、夫、アンリの間に何が起こったのか?アンリだけが知る、彼女の「欲望」にまつわる秘密とは?そして、アンリが彼女をディナーに誘った本当の理由は?
時を経てふくらむ「秘密」への想い― 2 人の人生が再び交差し、そしてその秘密は永遠となる・・・
ミシェル・ピコリ(アンリ・ユッソン)
1925 年 12 月 27 日パリ生まれ。本名は Jacques Daniel Michel Piccoli 。父はヴァイオリニスト、母はピアニストで共にイタリア系。第二次大戦中はコレーズ県に疎開し、兵役を逃れる。その後、パリのコレージュで学び、バカロレアを取得。演劇に興味を持ち、ルネ・シモン舞台芸術コースで学ぶ。 45 年には映画にも出演。その後、バビローヌ劇場などでスタッフとして働き、 48 年にに舞台デビュー。翌年、映画にも出演を始め、端役ながら数をこなすようになる。 54 年ジャン・ルノワールが『フレンチ・カンカン』に出演させたのに続いて、 55 年はアレクサンドル・アストリュックが「不運なめぐり逢い」、 56 年はルイス・ブニュエルが「この庭での死」に起用。また時同じくして TV 映画にも次々出演を始める。ジャン=ピエール・メルヴィルの傑作『いぬ』 (62) に続いて、『小間使の日記』 (63) で再びブニュエル作品に登場して印象を残し、ゴダールの『軽蔑』 (63) にブリジット・バルドーと主演して世界的にその名を轟かす。以来、フランスを代表する男優として目覚ましい活躍を始め、国外からのオファーも殺到し、特に「ディリンジャー死す」 (68) 、「謁見」 (71) 、『ひきしお』 (72) 、『最後の晩餐』 (73) 、「白人女に手を出すな」 (74) 、「最後の女」 (75) などでマルコ・フェッレーリ作品には欠かせない存在となる一方、クロード・ソーテの『すぎ去りし日の ... 』「はめる/狙われた獲物」 (69) 、「友情」 (74) や、ジャック・ドゥミ、フィリップ・ド・ブロカ、イヴ・ボワッセ、クロード・シャブロル、フランシス・ジロー、ジャック・ルフィロらの作品に度々出演。ブニュエル作品は『昼顔』 (67) のアンリ・ユソン役で再登場し、その後も『銀河』 (68) 、『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』 (72) 、『自由の幻想』 (74) にそれぞれ1シーンにゲスト出演。更に彼の息子フアン・ルイス・ブニュエルの「呪われた女」 (74) に主演。オリヴェイラ作品は「 Party 」 (96) 、『家路』 (01) に続く主演で、今回は『昼顔』のユソン役を再度演じた。
また『獲物の分け前』 (67) でフランス・シネマ大賞、ベロッキオの「虚空への跳躍」 (80) でカンヌ映画祭、グラニエ=ドフェールの「 Une etrange affaire 」 (81) でベルリン映画祭のそれぞれ最優秀男優賞を受賞。セザール賞は「 Une etrange affaire 」 (81) 、「 Le Diagonale du Fou 」 (82) 、『五月のミル』 (90) 、『美しき諍い女』 (91) で主演男優賞候補となった。なお、 91 年にオムニバスの一篇を手掛て以来、監督としても度々作品を発表している。
80 年代より舞台出演にも力を入れ、パトリス・シェロー演出《贋の侍女》 (84) 、オジエ共演/ボンディ演出《冬物語》 (88) と《ヨーン・ガブリエル・ボルクマン》 (93) 、ロバート・ウィルソン演出でデュラス作《死の病》 (97) 、ミュラ演出でギトリ作《嫉妬深い女》 (01) 、ブルック演出《 Ta main dans la mienne 》 (03) 、エンゲル演出《リア王》 (06) と話題作に主演して毎回完売となる人気を誇る。
ビュル・オジエ(セヴリーヌ・セルジー)
1939 年 8 月 9 日パリ郊外ブローニュ=ビヤンクール生まれ。本名 Marie-France Thielland 。 18 歳の時、浜辺で出会ったミュージシャンとの間に娘パスカル (84 年没 ) を設けた後、結結をするが、 2 年で離婚。その後、マルク 'O と出会い、彼が教えるパリのアメリカン・センターで演劇クラスを取り、 61 年彼が立ち上げた劇団の旗揚げ公演となったマリヴォー作《愛の勝利》で舞台デビュー。 63 年には劇団で知り合ったピエール・クレマンティ、ジャン=ピエール・カルフォン、エリザベット・ヴィエネールらとカフェ・テアトルの演劇団体を発足し、サン・ジェルマン界隈を奇抜なパフォーマンスなどを繰り広げる。 66 年マルク 'O 作のミュージカル・コメディ《 Les Idoles 》に総勢で出演し、その奇抜さによって注目を集める。映画界からも注目され、ジャック・バラティエはドキュメンタリー『想い出のサンジェルマン』 (66) に舞台の模様を収め、短篇「 Voila l'ordre 」に主演させる。続いて舞台が『アイドルたち』として映画化され、本格デビュー。舞台に注目していたジャック・リヴェットは「狂気の愛」 (68) に、その作品の助監督アンドレ・テシネの「去り行くポリーナ」 (69) のヒロインに起用し、その後もモーシェ・ミズラヒの「 Les stances a Sophie 」 (70) などに次々と出演。 70 年アラン・タネールの「サラマンドル」での演技が絶賛されたのに続いて、ルイス・ブニュエルの『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』 (72) で国際的名声を獲得する。
その後は、リヴェットの「 Out 1 」 (71) 、 『セリーヌとジュリーは舟でゆく』 (74) 、 「デュエル」 (75) 、『北の橋』 (81) 、『彼女たちの舞台』 (88) 、バーベイ・シュローダーとは「 La vallee 」 (72) 、「女主人」 (76) 、 「詐欺師たち」 (83) 、マルグリット・デュラスとは舞台でも演じた《木立の中の日々》 《アガタ》の映画版と「船舶ナイト号」 (79) 、舞台《 La musica 》などで度々組む。他にもダニエル・シュミットと『ラ・パロマ』 (74) 、『カンヌ映画通り』 (81) 、ヴェルナー・シュレーターと「 Flocons d'or 」 (76) と「 Deux 」 (02) 、アンドレ・デルヴォーと「ブレでの再会」 (71) 、ラウル・ルイスの「悪夢の破片」 (98) などに出演。 94 年『だれも私を愛さない!』の演技でロカルノ映画祭の特別賞を受賞。 2000 年『エステサロン ヴィーナス・ビューティ』での好演でセザール賞助演女優賞にノミネート。 2006 年モントリオール映画祭でこれまでの功績に対してアメリカ特別大賞が贈られた。オリヴェイラ作品は「 Mon cas 」 (85) の主演以来であるが、共演のピコリとは《冬物語》 (88) 、イプセン作《ヨーン・ガブリエル・ボルクマン》 (92) といった舞台でコンビを組んで高い評価を得ている。なお、プランション演出でベルイマン作《 S'agite et se pavane 》 (92) 、ボンディ演出でヤスミナ・レザ作《 Une piece espagnole 》 (04) といった話題作にも主演し、 07 年 10 月よりオデオン座でレジ演出《 Homme sans but 》??%