氷海の伝説

Introduction Story Review


どこまでも男は走る。家族のため、空と大地を守るため。

監督・製作・脚本・編集:ザカリアス・クヌク
撮影・製作・脚本・編集:ノーマン・コーン
出演:ナタール・ウンガラーック、シルヴィア・イヴァル、ピーター・ヘンリー・アグナティアック、ルーシー・トゥルガグユク

2001年カナダ/イヌイット語/172分/35mm/カラー/1:1.85/ドルビーSR
後援カナダ大使館
協力:学校法人ヤマザキ学園 専門学校日本動物学院、





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必見!予告篇!

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Introduction/解説
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氷の世界、祈りの大地。極北の地に生きるイヌイットたちが奏でる生命の詩
『氷海の伝説』は、北アメリカ大陸最北端に住むイヌイットに、先祖代々語り継がれてきたアタナグユアト(足の速い人)の伝説に基づく一大叙事詩である。白い氷原と青い空が果てしなく広がる北極圏の雄大な自然を背景に、4世代にわたる愛憎渦巻く人間ドラマが、イヌイット独自の風習を数多く織り込みながら、神話的スケールで力強く描かれている。制作費US190万ドル(約2億4千万円)を費やし、約5年をかけて製作された本作は、キャスト全員が現地で実際に暮らす人々で、監督や脚本家をはじめスタッフのほとんどもイヌイット。イヌイットによる、イヌイット語(イヌクティトゥト)を用いて製作されたオリジナリティ溢れる初の長編劇映画である。

独自の伝承文化を映画化した、類のない感動作
監督のザカリアス・クヌクたちにとって、本作の製作は、新たな挑戦の連続だった。個人の野心や嫉妬によって脅かされた共同体の危機を、いかにして乗り越えるか。古くから伝わる「足の速い人」の伝説を、まず8人の長老から聞き取り、5人の脚本家が1つの物語に組み立てていった。その後も、脚本執筆や美術、衣装などにおいて、長老や地元のアーティストのアドバイスを得ながら、製作は進められた。その結果、映像の細部に至るまで、イヌイットの文化や慣習、思想や感情表現がリアルに再現されることとなった。また撮影にはデジタルベータカムが使用された。これによってカメラが決して踏み込むことができなかった場所にも入ることができ、これまでにない臨場感ある映像が生まれた。

カンヌ国際映画祭を皮切りに、世界中に広がる感動の輪
『氷海の伝説』は、2001年カンヌ国際映画祭で世界初披露されると、イヌイット初の映画という話題性もさることながら、作品そのものが持つ新鮮な表現とダイナミックな映像美は人々を圧倒し、見事、新人監督賞にあたるカメラドール賞を獲得した。その後も世界中の映画祭に招待されて数々の賞を受賞。また、フランス全土で公開されて大成功を収めたほか、アメリカでもロングランを記録して異例の大ヒットとなった。また、イギリス、イタリア、オーストラリア、ベネルクス3国、イスラエル、台湾など、世界中に上映の輪は広がり、イヌイット旋風が大きな反響を呼んでいる。

故郷ヌナブトに生きるイヌイットの思いを込めて
イヌイットは、本作が製作されたカナダとアラスカの北部のほか、グリーンランド、アジア北東部などの極北地域に住んでいる。舞台となったイグルーリックは、カナダ北東部メルヴィル半島の先端、バフィン島の西側にある小さな島である。この地域のイヌイットは、1993年にカナダ連邦政府と協定を結び、先住民権の放棄と引き換えに、土地の管理権、野生生物管理権、補償金を得た。そして1999年、多数派イヌイットが実質的な自治権を持つ、人口約2万人のヌナブト(イヌイット語で「我らの大地」)準州が誕生した。この映画の国際的成功は、ヌナブトの人々にとっても民族的な誇りとなっている。



Story/物語
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地図

イグルーリックにあるイヌイットの村。リーダーの息子サウリは、父がトゥリマックに目をかけているのを妬み、村を訪れた邪悪なシャーマンとともに父を殺害した。そして新しくリーダーとなったサウリは、トゥリマック一家を村八分同然にする。

月日は流れ、トゥリマックの二人の息子、アマグアックとアタナグユアトは逞しく成長していた。兄アマグアックは力持ちで知られ、弟アタナグユアトは誰よりも速く走ることができた。サウリの息子オキは、父にも増して粗暴だった。彼には美しい許嫁のアートゥワがいたが、アタナグユアトへのライバル心は強い恨みへと変わっていく。

ある日、オキは仲間とともに、眠っている兄弟のテントを襲撃し、アマグアックは即死する。しかし、アタナグユアトは間一髪で槍をかわし、裸のまま氷結した海をひたすら逃げ続けた...。



Review/海外批評
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◆さえぎるものの何もない、純白な世界の中で、人間の根源的なものだけ
が問われる。 愛、憎しみ、信仰。 こんな映画、はじめて観た。
この強さ。この深さ。
岸田今日子(女優)

◆このフィルムは、ハリウッドが一度も実現できなかったことに向かいあって、みごとに
それを実現した。人間の真実の言葉で語るということである。
四方田犬彦(映画評論家)

◆すべての俳優と女優たちの演技は賞賛に値するし、何度も見返したくなる忘れがたい
映画だ!まさしく傑作である!
C.W. ニコル(作家)

◆美しく、広大な背景の中、スリリングな展開の中に、神話的、呪術的世界を感じた。
関野吉晴(グレートジャーニー 探検家)

◆精霊に導かれながら、裸で、裸足で大氷原を走り続けるアタナグユアト。
その美しい姿が今も目の奥に焼きついたままなのです。
高田喜佐(シューズデザイナー)

◆出演者全員の眼差しの奥にある"微笑み"は北極圏の民が5千年の歳月を
経て獲得した21世紀の人類への贈り物だ。
龍村仁(「地球交響曲」監督)

◆イヌイットの喉歌やふたりでやる声遊びは、
もともとたくさんの人に聞かせるための音楽ではない。
「走る男」の伝説も、民族の知恵を子孫に伝えるものだろう。
みんなが知る必要のない小さな世界は驚くほど大きな力を持っている。
凍えそうな都会の精神は、こんな特別な毛皮(映画)が必要だ。

音楽は、ユーラシア大陸と新大陸をつなげてびりびりと響く。
風の音に口琴がびょんびょんと、
ブルガリアンヴォイスとトゥバのホーメイが同時に。
さらに
オーストラリアのアポリジニの吹奏楽器ディジュリドゥが地鳴りのように歌えば、
この映画の音楽観が見えてくる。
これらの音は、喉の奥に別の世界があることを知らせている。

巻上公一(超歌唱家)

◆まだ地球上に「人間」は生き残っていたのだ!シェイクスピアは今日イヌイットの世界に転生をとげている。
中沢新一(宗教人類学) 

◆Traveling without moving.映画を観たものはその場で、極北の大地を体感する
ことになるだろう。この映画には「本物」の力が溢れている。
石川直樹(ライター/冒険家)

◆登場する人々の顔と氷海の風景は、そっと心に入ってきて、しっかりと根をおろす。
寝ても覚めてもこの映画の世界がずっと見えている。
池澤夏樹(作家)

◆限りない氷原を最も速く駆け抜ける主人公は、イヌイット文化ばかりでなく、
我々の文化に於いても最大の昂揚をもたらす。
山口昌男(文化人類学者)

あの美しさは何であろう。人間が原初にもっていた文明のアカに汚されていない無垢の姿。
白石かずこ(詩人)


この初のイヌイット映画は、驚くべき冒険を身近に体験させてくれた。イヌイットの文化は情熱的で、この素晴らしい作品は様々な側面を垣間見せてくれる。
(フランス大統領 ジャック・シラク)

この初のイヌイット映画は、驚くべき冒険を身近に体験させてくれた。イヌイットの文化は情熱的で、この素晴らしい作品は様々な側面を垣間見せてくれる。
(フランス大統領 ジャック・シラク)

魅力的な文化に対する豊かな洞察力、ここ数年でもっともエキサイティングかつ独創的な映画。北極圏の光に覆われた映像美が、画面いっぱいに溢れている。
(ロンドン・テレグラフ誌)

独自の見解に基づく様式美の歴史を尊重した、心奪われる物語と映像の美しさ。 驚くべき作品だ!
(ニューヨーク・タイムズ紙)

神秘的で淫ら、感情的で激しい。初めから終わりまでの3時間、ずっと目が離せない。ステレオタイプとは最も対極にあり、映画の復興を示唆する広大無辺なヴィジョンを持っている。
(ヴィレッジ・ヴォイス誌)

苛酷で美しいロケーション、素晴らしいカメラワーク。現地のイヌイット人たちの純真な演技は、まるで眼に矢を突き刺されたように強烈な印象を我々に与える。
(ザ・フィナンシャル・タイムズ・オブ・ロンドン紙)

シェイクスピアでさえ考えつかなかったであろう。ザカリアス・クヌクは、世代を越えた口承の伝統によって語り継
がれた古代の悲劇をモチーフにして、氷原に火を点した。
(ル・フィガロ紙)

全編オールロケで撮影された3時間にも及ぶこの作品は、極寒の自然の中で生活する人々の、不屈の精神と創造性を示してくれる。                            
(シカゴ・サンタイムズ)

愛、嫉妬、殺人、そして復讐...『氷海の伝説』はギリシャの悲劇に匹敵するほどの一大叙事詩であり驚くべき作品だ。                                     
(マクレーンズ)

この世界初のイヌイット映画は、すでに画期的な大事件である。殺人や不貞、自然界の目に見えない力といった、ドラマの数々をこれまでにない方法で組み合わせていると同時に、素晴らしい文化の記録でもある。
(ザ・グローブ アンド メイル)

この映画は、チェン・カイコー、チャン・イーモウ、アッバス・キアロスタミといった監督の作品に初めて出会ったときの気持ち―未知の文化で生活する人々を開拓し、自分自身がそこで繰り広げられるドラマに巻き込まれていくような不思議な感覚―を彷彿とさせる。                     
(タイムアウト)



 
             



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