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カチューシャ・・・ |
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私たちはずっと前から、レフ・トルストイ作『復活』のもつ魅力に取り憑かれていた。この作品は圧倒的な力をもち、死にゆくべき世界の終末の証人として、また人間の新しい面を探求しようとする新たな世界の始まりの証人として、二つの世紀にまたがって立ちはだかっている。実際、一般的な文学のより情熱的でポピュラーな愛の物語の一編に熱中することがなければ、表現方法にとまどうことはあるだろうが、不動の題材であり続けるだろう。雄大で厳しい眺めを横断する旅は、その間中、二人の若者が幾多の人間性と出会う旅となる。女たち、男たち、被抑圧者と抑圧者、皮肉を並べる者と無邪気な者、降伏した者と反逆した者、理性を見失った者とユートピアからの解放者。 パオロ・タヴィアーニ 監督・脚本:パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ |
| レフ・トルストイ生誕175周年記念 2002年 モスクワ国際映画祭グランプリ受賞 サンクトペテルブルグ建都300年記念 ロシア芸術祭映画部門参加作品 文部省選定作品/東京都知事推奨/シネマ夢倶楽部推薦/全国高等学校PTA連合会推薦/青少年映画審議会推薦 2001年 /イタリア/187分/35mm/カラー/ヴィスタサイズ/ドルビー |
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CAST・STAFF/キャスト・スタッフ |
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| ●監督・脚本:パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ [PAOLO e VITTORIO TAVIANI] 兄ヴィットリオは1929年9月20日、弟パオロは1931年11月8日に、トスカーナ地方のピサ近郊のサン・ミニアートに生まれる。父は弁護士。幼少からパオロはヴァイオリン、ヴィットリオはピアノを学ぶ。44年、ドイツ軍の侵略で家が破壊され、ピサに移住。共にオペラなどにも親しんでいたが、46年にロベルト・ロッセリーニの『戦火のかなた』を見て共に映画に目覚める。その後、共にピサ大学に進み、パオロは教養過程、ヴィットリオは法律を専攻。父は法律家になることを望むが、それをよそに、映画に没頭し、シネクラブに通う。ここで、レジスタンスの闘志でもあった共産党員ヴァレンティーノ・オルシーニと出会い意気投合。3人で映画を作ることを夢見るが、その一歩として地方紙に映画評を書き始め、50/51年リヴォルノで地元の労働者を起用して舞台《Il nostro quartiere (我らの地区)》《Marco si sposa (マルコは結婚する)》を共同演出。54年には大御所チェーザレ・ザヴァッティーニの監修によりドキュメタリー「San Miniato, luglio '44 (サン・ミニアート、44年7月)」を3人で監督。後の『サン★ロレンツォの夜』でも描かれたサン・ミニアートでの虐殺を検証したこの作品は、ピサ・ドキュメンタリー映画祭で2等を受賞し、市民からも支持されが、検閲は通過せず、広くは知られずに終わる。55年に3人でローマに活動拠点を移し、次々とドキュメンタリーを製作し、後の劇映画の題材となる人物などを取り上げる。ヨリス・イヴェンスと出会い、彼と共に「L'Italia non e un paese povero (イタリアは貧しい国ではない)」に取組むが、TV局の勝手な編集で放映されてしまう。62年、ドキュメンタリー「Carvunara」(58)でも取り上げたマフィアに暗殺された労働組合の指導者サルヴァトーレ・カルネヴァーレを描いた「火刑台の男」で長篇劇映画デビュー。一転して、5組のカップルの離婚を描いた「ああ離婚」でコメディに挑戦。 この後、オルシーニとのチームを解消し、兄弟での作品製作に取組み、人気歌手ルーチョ・ダッラ主演「過激派たち」、ジャン・マリア・ヴォロンテ、ルチア・ボゼ共演「蠍座の星の下で」といった作品を発表。72年には短篇小説「神性と人間性」を映画化したジュリオ・ブロージ主演「サン・ミケーレのおんどりさん」で初めてトルストイ作品に取組む。マルチェッロ・マストロヤンニ主演『アロンサンファン/気高い兄弟』(73)で国際的に注目された後、ガビーノ・レッダの自伝的小説を映画化したサヴェリオ・マルコーニ、オメロ・アントヌッティ共演『父/パードレ・パドローネ』(77)でカンヌ映画祭のグランプリと国際批評家連名賞を受賞し、一躍イタリア映画界を代表する存在となる。「ハメルンの笛吹き」をモチーフに描いたマルコーニ、ミケーレ・プラチド、イザベラ・ロッセリーニ共演「草原」(79)に続いて、戦争を子供の視点で幻想的に描いた『サン★ロレンツォの夜』(82)が絶賛され、再びカンヌ映画祭のグランプリを受賞し、世界各国で評判となると共に数々の映画賞を受賞。84年はオムニバス映画『カオス/シチリア物語』ではピランデッロの210からなる短編集「一年の物語」より6つを選んで映画化。87年は国際的な若手キャストで『グッドモーニング・バビロン!』に取組み、映画『イントレランス』のイタリア人美術スタッフを描いた。90年は二度目のトルストイ作品となるジュリアン・サンズ主演『太陽は夜も輝く』で短篇「神父セルゲイ」を映画化。その後もマイケル・ヴァルタン主演『フィオリーレ/花月の伝説』(93)、ゲーテ著「親和力」をイザベル・ユペール、ジャン=ユーグ・アングラード、マリー・ジラン共演で描いた「Le affinita' elettive」(96)、再びピランデッロの短篇を映画化した「カオス2」(98)などの文芸作で独特の世界を作り上げる。そして今回、3度目のトルストイ作品となる『復活』でモスクワ映画祭のグランプリを受賞するなど、高く評価された。2003年は、フランスの文豪アレクサンドル・デュマの小説を映画化するレティシア・カスタ、アドリアーノ・ジャンニーニ共演「Luisa Sanfelice」に取組んでいる。 ●主な監督・出演作品 ([f]=映画祭題) |
| 60 | :イタリアは貧しい国ではない L'Italia non e un paese povero |
| 62 | :火刑台の男 Un uomo da bruciare |
| 63 | :ああ離婚 [tv] I fuorilegge del matrimonio |
| 67 | :過激派たち [f] I sovversivi |
| 69 | :蠍座の星の下で [tv] Sotto il segno dello scorpione |
| 72 | :サン・ミケーレのおんどりさん [f] San Michele aveva un gallo |
| 73 | :アロンサンファン/気高い兄弟 Allonsanfan |
| 77 | :父/パードレ・パドローネ Padre padrone |
| 79 | :草原 [f] Il prato |
| 82 | サン★ロレンツォの夜 La notte di San Lorenzo |
| 84 | カオス・シチリア物語 Kaos |
| 87 | :グッドモーニング・バビロン! Good Morning, Babylon |
| 90 | 太陽は夜も輝く Il Sole anche di notte |
| 93 | :フィオリーレ/花月の伝説 Fiorile |
| 96 | :Le affinita elettive |
| 98 | :笑う男 [f] Tu ridi |
| 01 | :復活 Resurrezione |
| 03 | : Luisa Sanfelice |
●ステファニア・ロッカ (カチューシャ) [STEFANIA ROCCA, Katiuscia] 1971年4月24日イタリア、トリノ生まれ。若くから女優を志し、朗唱を専攻。ローマの演劇院CSCで演技を学び、92年には当地のサーティリ劇場上演のアントーニオ・ドメニチ作《Storie d'amore e di calci di rigore》で初舞台を踏んだ。その後NYに渡り、アクターズ・ステュディオでさらなる研鑽を続け、帰国するや「Poliziotti」(94)で映画デビュー。以来、短篇、TV、映画など次々と出演を始め、舞台も《人形の家》(94)などで活躍。96年はTV大作「Jesus」「Solomon」に配役されたのに続いて、ガブリエーレ・サルヴァトーレス監督のヒット作『ニルヴァーナ』(97)のヒロインに抜擢されて脚光を集めた。97年はカンヌ映画祭に出品されたゴダール製作「Inside/Out」(ロブ・トレゲンザ監督)に出演。その後、矢継ぎ早に作品に出演し、ミンゲラ監督『リプリー』(99)、ブラナー監督『恋の骨折り損』(00)、フィギス監督「Hotel」(01)といった英国の監督による話題作にも起用されて、広くその名を知らしめた。また、本作の大役を熱演したのに続いて、ロジャー・ヤング監督のTV映画『キング・オブ・ザ・ヴァンパイア』(02)、トム・ティクヴァ監督『ヘヴン』(02)に登場。アレッサンドロ・ダラートリ監督「彼らの場合」(02/イタリア映画祭上映)での好演が高く評価されナストロ・ダルジェント賞と翌年のダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の最優秀女優賞にノミネートされた。2003年はダリオ・アルジェントのポリス・アクション・ホラー「Il cartaio」の主演に抜擢されているのも注目される。 一方、舞台ではトリノのスタービレ劇場で《ジャンヌ・ダルク裁判》(98)、ロベール・レパージュ作・演出《ポリグラフ (うそ発見器)》(00)の伊初演、そしてパリのオペラ・コミークで評判となったジェローム・サヴァリ演出《イルマ・ラ・ドゥース(あなただけ今晩は)》のイタリア巡演でヒロインを演じるなど、注目作のヒロイン役で魅力を発揮している。
●ティモシー・ピーチ (ネフリュードフ) [TIMOTHY PEACH,Neckliudov] 1963年7月25日ドイツ、バイエルン地方ミュンヘン生まれ。学業を終え、86年にはZDF製作の長寿シリーズ「Der alte」のエピソードでTVデビュー。89年よりバイエルン放送とオーストリアORF共同製作のシリーズ「Lowengrube」に出演を始め、シーズン合間を塗って「Keep on Running」(ホルム・ドレスラー/90)で映画初出演。その後も、ミヒャエル・フェアホーフェン監督の「Eine unheilige Liebe」(93)や、イルゼ・ホフマン監督「Im Innern des Bernsteins」(95)、カローラ・ツァイスベルク監督「Rosamunde Pilcher」(96)といったZDF製作作品や、ドミニク・オトナン=ジラール監督の「Liebe ist starker als der Tod」「Florian - Liebe aus ganzem Herzen」(99)などのTV映画で活躍すると共に、シリーズにも多数出演して、ドイツTVを代表するスターとして活躍。今回、TV用として製作されたこの国際的な本作品が、国外で評判となり、続く「Geregelte Verhaltnisse」(01)で本格的に劇映画デビュー。その後も、TV映画「Vittorio - Momente des Glucks」(01)、人気シリーズ「Hallo Robbie!」(02)などに出演している。
●マリー・ボイマー (ミッシィ) [MARIE BAUMER ,Missy] 1969年5月7日ドイツ、デュッセルドルフ生まれ。92年よりハンブルク音楽・舞台芸術学校で演劇を学びながら、スイス、テッシン州のディミートリ校の演技コースも受講、ハンブルクの劇団Studio O33にも籍を置く。93年には人気TVシリーズ「Tatort」のエピソードでTVデビュー。以来、ハンブルク室内劇場での舞台出演と共に、TV映画、シリーズなどにも出演を始め、95年にはD.W.ブック監督「Mannerpension (男の家)」のヒロイン役を得て映画進出。カール・シェンケル監督のTV映画「Kalte Kusse (キッスの記録)」(96)に主演後、映画「Sieben Monde (第七世界)」(98)でヤン・ヨーゼフ・リーファースと共演。その後も次々とTV映画、シリーズに主演し、2001年は本作で好演すると共に、ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ監督「Der Schuh des Manitu (大物の靴)」でのアンサンブル演技が評価され、共演者3人と共にバンビ賞とドイツ・コメディ賞を受賞。2002年はクリスチャン・クラヴィエ、ジェラール・ドパルデュー主演によるフランスのTVミニシリーズ「Napoleon」にカロリーヌ・ボナパルト役を演じた。2003年はオスカー・レーラー監督「Der alte Affe Angst (不安)」、パウル・ハラター監督「Adam und Eva (アダムとエーヴァ)」といった主演作品に矢継ぎ早に出演し、ドイツを代表する女優の一人として活躍している。
●セシル・ボワ (マリエット) [CECILE BOIS, Mariette] 1970年12月26日フランス、ボルドー生まれ。学校演劇の出演で女優を志し、16歳で地元の劇団に入る。パリに出てコンセルヴァトワールの入学を試みるが、適わず、ボルドー演劇院で学ぶ。在学中は郊外のアマチュア劇団でも活動し、アヌイ作《ひばり》(87)、ジュネ作《女中たち》(88)などに出演。19歳の時、再びパリに出て、ブランシュ通りのENSATT(国立高等演劇学校)に入学し、更にエージェントも付いてプロとして活動を始め、91年は映画『コレット/水瓶座の女』(91)の小さな役を得ると共にロマン作《ヴォルポン》のコロンバ役でフランシス・ペラン、ギ・トレジャンと共演。これで注目され、ルネ・フェレ監督「Promnade d'ete」(92)、クロード・ベリの大作『ジェルミナル』(92/セシル役)、フェレ監督と再び組んだ「La place d'un autre」(93)、スタニスラス・カレ・ド・マルベール共演のTV映画「Le chasseur de la nuit」(93)に次々と配役され、ロベール・オッセン演出の舞台《Zapping solitude parloir》(93)の国内ツアー版のカミーユ・クローデル役を主演。その後もアニー・ジラルド共演のTV映画「La soupe aux herbes sauvages」(95)、ドミニク・ラドージュ監督の映画「Le mntreur de boxe」(96)、ロジェ・アナン主演の人気TVシリーズ『刑事ナバロ』のエピソード(「Les chiffonniers de l'Aube」篇/95)などで活躍。95年から96年にかけては映画『アンジェリク』をオッセンが舞台化した《Angelique, marquise desanges》のヒロインを演じて評判となり、パレ・デ・スポールで160回公演。続いてシリーズ『メグレ刑事』の「Maigret chez les riches」篇(99)、『王は踊る』(00/マドレーヌ役)、ヒット劇の映画化「Le roman de Lulu」(01)などを経て本作に出演。2001年はアガサ・クリスティ作《ねずみとり》の地方公演でモリー役を演じて評判となり、2003年にはパリでも公演。新作はラウル・ルイスのTV映画「Une place parmiles viviants」。 ●マリーナ・ヴラディ (老女公) [MARINA VLADY, La zira duchessa] 1938年5月10日パリ生まれ。本名Marina de Poliakoff-Baidaroff。スラヴ系の芸能一家で、母はパリ・オペラ座バレエ団のエトワール。48年、姉オディール・ヴェルソワと子役としてバレエ団の舞台に立ち、「Orage d'ete」に二人で映画初出演。54年、アンドレ・カイヤット監督『洪水の前』のヒロインでスターとなり、シュザンヌ・ビアンケッティ賞も受賞。16歳という若さで演出家ロベール・オッセンと結婚し、彼の映画に主演する。2人の息子をもうけて一時期、家庭に入るが、60年『飾り窓の女』で復帰し、妖艶な娼婦を演じたことにより話題となるが、離婚。以後、国内外で活動を始め、『クレーヴの奥方』(61)、ドヴィル監督「愛すべき嘘つき女」(61)と『モナリザの恋人』(65)、ヴァディム監督『新・七つの大罪』(63/挿話)と『輪舞』(64)、マルコ・フェッレーリの大ヒット作『女王蜂』(65)、そして『オーソン・ウェルズのファルスタッフ』(66)といった作品で、セクシーな役どころを演じた。ゴダールも惚れ込み、ミシェル・ボワロンの「OSS117東京の切札」(66/TV放映題)の東京ロケまで追っかけて、出演交渉し、『彼女について私が知っている2、3の事柄』のヒロインに起用。その後、ヤンチョー・ミクローシュ監督「Sirokko」(69)、ベルトラン・タヴェルニエの「祭よ始まれ」(74)、ジャック・ルフィオの『仮面』(75)、フェルナンド・E.ソラナスの『タンゴ?ガルデルの亡命?』(85)、エットレ・スコーラの『スプレンドール』(88)、そしてエカテリーナ女王を演じた邦画『おろしや国酔夢譚』(92)などで活躍を続けている。 ●撮影:フランコ・ディ・ジャーコモ [FRANCO di GIACOMO] 1932年9月18日イタリア、アマトリーチェ生まれ。トニーノ・デッリ・コッリらの撮影助手として、レオーネの『続・夕陽のガンマン』(66)、ベロッキオの「中国は近い」(67)、パゾリーニの『豚小屋』(69)といった作品に携わる。ベルトルッチの『暗殺のオペラ』(70)をストラーロと手掛けたのち、本格的に撮影監督として活動を開始。79年「ハメルンの笛吹き」をモチーフに描いたファンタジー「草原」でタヴィアーニ兄弟の作品を担当し、続く『サン★ロレンツォの夜』(81)が絶賛され、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ撮影賞を受賞。以来、売れっ子となって、タヴィアーニ作品は助手のジュゼッペ・ランチに任せ、自身はナンニ・モレッティの『監督ミケーレの黄金の夢』(81)、『ジュリオの戸惑い』(85)を始め、マルコ・ベロッキオ、ルイージ・コメンチーニ、ディーノ・リージらの作品を次々と担当し、ミハルコフの『黒い瞳』(86)、『イル・ポスティーノ』(94)といった国際的に高い評価を受けた作品も担当。また、『星降る夜のリストランテ』(98)などでエットレ・スコーラとのコラボレーションも続け、「Concorrenza sleale」(01)ではドナテッロ賞にもノミネート。他にもミハルコフの大作『シベリアの理髪師』(99)、フランスのヒット・コメディ「Jet Set」(00/ファビアン・オントニアント)、フラッツィ兄弟の劇映画デビュー作『ふたりのトスカーナ』(00)などを撮影。本作で久しぶりにタヴィアーニ兄弟と再会した。なお、AIF(イタリア撮影監督協会)の会長を務めている。 ●衣装:リーナ・ネルリ・タヴィアーニ [LINA NERLI TAVIANI] 1937年11月16日ピサ生まれ。修学後、兄たちの作品に協力するようになり、「ああ離婚」(63)と「反逆者たち」(67)では美術も担当。68年はカルロ・リッツァーニ監督のマカロニ・ウェスタン「Requiescant」で衣装デザイナーとして活躍を始め、69年はジャンニ・バルチェッローニ主宰「Polifilm」製作による三部作(ジガ・ヴェルトフ集団『東風』、マルコ・フェッレーリ「Il seme dell'uomo」、グラウベル・ローシャ「Il Leone a sette teste」)を担当すると共に、兄たちの「蠍座の星の下に」をデザイン。その後も兄たちの殆どの作品を手掛けると共に、ナンニ・モレッティの『青春のくずや?おはらい』(78)、ベルナルド・ベルトルッチの『ルナ』(79)、「ある愚か者の悲劇」(81)、マルコ・ベロッキオの「ヘンリー四世」(84)、『肉体の悪魔』(85)など、イタリアを代表する監督たちの作品を次々と手掛ける。また、大御所マリオ・モニチェッリとは「マンマ・ミーア人生」(88)で組んで意気投合し、90年には彼のオペラ演出作《カヴァレリア・ルスティカーナ》をデザイン。更にロッシーニ生誕200周年を記念して作られた「Rossini ! Rossini !」でも組み、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ衣装賞を受賞した。その後も兄の作品と共に、「Il toro」(94)、「Vesnava veloce」 (96)、「聖アントニオと盗人たち」(00)、「虎をめぐる冒険 」(02)といった一連のカルロ・マッツァクラーティ作品を手掛けている。 ●音楽:ニコラ・ピオヴァーニ [NICOLA PIOVANI] 1946年5月26日ローマ生まれ。9才からピアノを習い、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽学校を67年に卒業し、更にマノス・ハジタギスに作曲と管弦楽作曲法を師事する。69年、シルヴァーノ・アゴスティ監督「N.P. il segreto」で始めて映画音楽を手掛け、続く「父の名において」(70)でマルコ・ベロッキオとのコラボレーションをスタート。以後「凱旋行進」(76)、「虚空への跳躍」(80)といったベロッキオ作品でのスコアで強烈な印象し、サントラ盤も評判となる。82年『サン★ロンレンツォの夜』でタヴィアーニ兄弟作品を初めて手掛け、ヴェルディの歌劇《シチリア島の夕べの祈り》をモチーフにしたスコアで一躍人気となる。以来タヴィアーニ兄弟作品の重要なコラボレーターとなり、『カオス』『グッドモーニング・バビロン!』『太陽は夜も輝く』『フィオリーレ』といった作品で名スコアを残す。フェリーニの『ジンジャーとフレッド』、モニチェッリの『女たちのテーブル』といったイタリアを代表する名匠たちからも依頼が舞い込み、瞬く間にイタリア映画界を代表する作曲家となる。ナンニ・モレッティとは『ジュリオの戸惑い』(87)、『赤いシュート』(89)、『息子の部屋』(01)などで組み、94年には『親愛なる日記』でダヴィッド・ディ・ドナテッロの音楽賞を受賞。また、国外からも多数依頼を受け、マカヴェイエフの『マニフェスト』(88)、マルン・バグダディの『無防備都市/ベイルートからの帰還』(91)、ジョルジュ・スルイゼルの『マイセン幻影』(91)、ジョン・アーヴィンの『河畔のひと月』(95)と、様々な国の監督の作品を作曲し、中でもスペインのビガス・ルナとは『ハモンハモン』(92)以来、『ゴールデン・ボールズ』(93)、『おっぱいとお月さま』(95)と立続けに担当。また、世界中で評判となった『ライフ・イズ・ビューティフル』(98)で組んだロベルト・ベニーニとは『ピノッキオ』(02)でも再会している。なお、一時期タヴィアーニ兄弟作品からは離れていたが、今回久しぶりに作曲した。 一方、多忙な中、舞台音楽、ミュージカル、カンタータなど劇場での仕事も積極的に取り組むと共に、映画やジャズの演奏会などで舞台に立っている。 |
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Introduction/解説 |
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| ●文豪トルストイが描く悲恋物語の最高傑作― 『復活』は、『アンナ・カレーニナ』『戦争と平和』と並んで世界文学の巨匠とも言えるロシアの文豪トルストイ(1828-1910)の晩年の作品である。すでに『アンナ・カレーニナ』、『戦争と平和』という傑作によって名声を手に入れ、さらには簡易生活・無抵抗・博愛を唱え、精神界にまで大きな影響を及ぼすようになった1889年から1899年までの10年の歳月を費やして執筆された。 原作は、彼の友人であるA・F・コーニから聞いた実際に起きた事件にヒントを得ており、若き将校ネフリュードフと召使いカチュ―シャの恋物語は、トルストイ作品の中でもとりわけ最高の悲恋物語として世界中の人々に今なお愛され続けている。日本で『復活』といえば、堅いロシア文学のイメージというより、かつて芸術座の「復活」公演で唄われた「カチューシャ可愛いや〜別れのつらさ〜」のメロディーで多くの人々に親しまれている。 ●イタリアの巨匠タヴィアーニが描き挙げる詩的な映像描写とダイナミックな音楽 今回、そんな大作の映画化に挑んだのは、『太陽は夜も輝く』(90)で、同じトルストイ作品である「神父セルゲイ」の映画化に成功したイタリアの巨匠パオロ&ヴィットーリオ・タヴィアーニ兄弟である。溢れる斬新なユーモアと、はつらつとした人間描写、ダイナミックでドラマティックな音楽と映像美で、すでに日本にも数多くのファンを持つタヴィアーニ兄弟の描く本作品は、昨年度のモスクワ国際映画祭でも並み居る作品を圧倒し、見事グランプリを獲得した。カンヌ国際映画祭グランプリと国際映画批評家大賞のダブル受賞という快挙を成し遂げた日本での第1回公開作品『父/パードレ・パドローネ』(77)以来、戦争の感じ方・考え方を本質的に捉えたアカデミー外国賞ノミネート&カンヌ国際映画祭審査員特別大賞受賞作品『サン★ロレンツォの夜』(82)、シチリアの大地に生きる人々の感情の輝きを叙事詩的に謳い上げた『カオス・シチリア物語』(84)、イタリア職人気質をユーモラスに人間味溢れる愛で描き上げた『グッドモーニング・バビロン!』(87)など、傑作を挙げるときりがない。 また、彼らの流麗な映像を一層盛上げるのが、『サン★ロレンツォの夜』以来、彼らの音楽を担当しているN・ピオヴァーニである。ロベルト・ベニーニ監督の『ライフ・イズ・ビューティフル』(98)での軽やかなメロディーで人々の心を魅了し、もはや映画界になくてはならない存在である彼が、今回『復活』で使用したのは、シベリアの壮大感を音で物語るオリジナル曲と、ショパンの『革命』である。世紀の転換を描くに相応しいメロディーがシベリアの大地に重なり、タヴィアーニ兄弟の特徴でもある地と時代に根付く鮮烈な物語が幕を開ける。 |
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Story/物語 |
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| カチューシャ、僕は君を愛していたのだろうか、 それともただ、救われたかっただけなのだろうか―。 裁判官に陪審員として呼び出されたネフリュードフは、目の前に現われた殺人の罪を問われた娼婦をみて驚愕した。かつて、恋をし、欲望のままに関係を持ち、やがて自分の輝かしいキャリアの為に見捨てたカチューシャであると気づいたのである。 カチューシャの罪状は、窃盗・毒殺であったが、その罪は明らかに無実であった。利用されただけだったのである。しかし、裁判の手続き上の不備から、彼女にシベリア徒刑が宣言される。自らの過去が明らかになることを恐れて、彼女を擁護することが出来ずにいるネフリュードフは、ただ黙っていることしか出来ないでいた。 7年という歳月は、カチューシャの姿をすっかり変えてしまっていた。二人が出会った大学3年の夏、ネフリュードフは叔母の家で、養女とも召使いともつかぬ瞳のきびきびとした少女に恋をした。彼女もまた、純真で献身的なネフリュードフに魅了された。二人は鬼ごっこをしたり、本を読んだりしてひと夏を一緒に過ごした。それは、純真な青年と乙女のひと夏の恋だった。 今、目の前にいる娼婦まで落ちぶれたカチューシャの転落した原因が自分にあり、その罪の深さを悟ったネフリュードフは、自らが犯した過ちに対する自責の念から、いてもたってもいられなくなり、全ての地位と財産を捨て、あらゆる手段を尽くして彼女を救おうとする。そして、贖罪の念から、彼女に結婚を申し込む。彼が自分を愛していないことを知っているカチューシャだったが、結婚を断られてもなお、シベリアまで追いかけてくるネフリュードフの献身的な愛情に次第に心を開くようになる。カチューシャは、ネフリュードフのことを愛していた。しかし、自分との結婚が、若くて輝かしいキャリアをもつ彼の人生を台無しにしてしまうと同時に、彼の愛が、自分を愛してくれている真実の愛ではなく、良心の呵責からくる使命感・自責の念であることを十分理解していた。 ネフリュードフの力の甲斐もあり、カチューシャに判決取り消しの特赦が下りる。自由の身となるその時、カチューシャは囚人仲間で、あるがままの自分を受け入れてくれる政治犯シモンソンとの結婚を決意する。カチューシャは、二人でネフリュードフの前から立ち去ることで、彼を贖罪の使命感から解放出来ると考えたのだった。 やがて、ネフリュードフを一人残し、囚人達を乗せたシベリア行きの列車が出発し始める。20世紀を迎えようとするその時、二人は別々の人生を歩み出そうとしていた。 |
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